「ひまー」
「あ?」
「ひーまー」
「…」
上着の裾を掴まれた。
「ひますぎてしにそう」
「シネ」
「何とかしてくれたっていいじゃんかよー」
床に突っ伏したまま裾を掴んだ腕を左右に振る。
おうおうお前ないとは思うが破くなよ。
「バクラーバクラくーんバクラ様ー」
「………」
「おいこら聞いてんのかウサ耳野郎」
「うぜぇ…」
オレ様がそう言った瞬間、ピタリと動きも声も止まった。
暫くすると嗚咽が漏れ聞こえて、結局オレ様が折れることになる。面倒臭い女だ。
「わーったよ相手してやるよだから泣き止めもっとうぜェ」
ピシピシと裾を掴んでいた手を叩いた。
「わーいバクラは優しいなぁところで君は何で私の上に被さっているのかなそして何処に手を入れているのかな」
「相手してやるんだ。有難く思え」
「あっはっはっ私はそんなの求めてねーよ自己中が。あ、この虫野郎!」
「どっちが。しかしお前それどっかで聞いた台詞だな」
「あーバクラくん手が冷たいですやっぱ私用事思い出したからもういいよ有難うすごく感謝してる!」
「そりゃどーも」
「だからやめろってば」
「…」
「あれれまた無視するの?この虫野郎!聞き分けの悪い子は嫌いよ!」
(あ、意地の悪い笑み酷いな嫌えないの分かってやってるんだ)
だってお互い好きなんだもの
(確信犯って質悪い!)