詩集

□如月
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一人ぼんやり空を見上げ 流れる雲の行く先を 今の 僕に重ね合わせていた これから何処へ行こう…
いつも答えは風の中 気付けばすぐそばにいて いとも容易くすり抜ける そして性懲りもなく次の風を待っている
どうか消えないで どうか やまないで どうかその手を離さないで 僕はまた道に迷い疲れ果てるだろう この空の向こう 果てない夢の先 遠ざかる影を追いかけ

ざわめく街の雑踏を気だるさを連れて歩いていた いつもと同じ空がやけに遠く感じた
日の光が眩しすぎて慌てて手をかざした いつの間にか汚れていた役に立たない瞳に気付いた
あとどれくらい いったいどれくらい 悲しみを知れば良いのだろう いくら泣いても泪は渇れはしないだろう それでも歩いて 歩き続けて…

どうか消えないで どうか やまないで どうかその手を離さないで 僕はまた道に迷い疲れ果てるだろう この空の向こう 果てない夢の先 いつかあの影に追いつくのさ

信号待ちの交差点を 冷たい風が吹き抜ける 一人ぼんやり空を見上げ
これから何処へ行こう…

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