幼い子供にとって、親は絶対的な存在です。親から無条件に愛情を注がれ、守られてきた子供は、人を信頼し、愛着する心を自然と持つ様になります。
ところが、様々な事情から、親から安定的に愛情を注がれなかった子供は、対人関係に支障をきたして「反応性愛着障害」に陥る事があります。
反応性愛着障害の現れ方は、大きく分けて次の二つです。
一つは「抑制型」と呼ばれるタイプ。
このタイプの子供は、誰にもなつかない所に特徴があります。
彼等は、誰にもしがみつかないし、甘える事もありません。あるいは、人との関係を求めているのに、極度の警戒心や緊張を示して、上手に甘える事が出来ません。
もう一つは「脱抑制タイプ」と呼ばれるタイプです。
このタイプの子供は、誰にでもくっつきます。
甘えられ
る相手ならば、誰かれかまわず寄って行き、よく知らない人にも過度になつきます。警戒心が欠けているような所が特徴です。
また、このタイプの子供は、甘える対象に執着しません。それまで愛着していた相手がいなくなっても、すぐに別の相手を見つけようとします。
いずれのタイプも、その原因として考えられるのは、乳児期(3歳頃まで)の養育上の問題です。
基本的な要求をずっと無視され続けた、ネグレクトや虐待を受け続けた、もしくは施設等で育てられ養育者が何度も代わった等、親の愛情を安定的に受けられなかったケースがほとんどです。
その結果、子供達は「自分達は見捨てられた」「愛されていない」と感じ、絶望して人に愛着出来なくなります。
そして、一旦そうなると、離れていた母親と再会しても、敵意を示すばかりで、懐く事が出来なくなってしまいます。

こうした対人関係の問題は、年齢が上がっても、消えない事があります。
極端から極端へ揺れ動く「境界性人格障害」や、自分に自信が持てない「回避性人格障害」として、その人のパーソナリティーに影響を及ぼすと言われています。

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