「自閉症」がどんな病気なのかをきちんと知っている人は、今日でも多いとは言えないと思います。
「自閉」と聞くと、多くの人がすぐに思い浮かべるのは「内向的」「ひきこもっている」といったイメージだと思いますが、自閉症はそうした心の病気ではなく、脳機能障害が原因と見られる病気です。
3歳児までに異常が確認され診断を受けます
、患者の多くにコミュニケーション障害が見られます。
発育ともに、症状が多少好転することもありますが、基本的には完全には消えません。
そのを理解しておかないと「親の愛情の掛け方が足りなかった」「育て方が悪い」等の大きな誤解を持ってしまう事になります。
@他者と交流が出来ないー自閉症の際立った特徴は、他者との触れ合い、交流する能力が上手く発達しない所にあります。
自閉症の人は、他人の情緒に対する反応が乏しく、相手の信号を理解する事が出来ないのです。例えば、人が怒った表情をすれば、自分が気に障ることを言ったと察するものですが、自閉症の人はこうした他人の感情を推し量る事が苦手なのです。
A意思伝達の障害ー表情、身振り、言語によって心の交流が上手く出来ません。
自閉症の子供は、赤ちゃんの時から、視線を向けてこない、抱っこをしても体を預けてこないので抱きにくい、といった反応の乏しさを示します。
1〜2歳以降になると、言葉の遅れが目立つ様になります。具体的には、オウム返し(「欲しいのか?」と質問すると「欲しいのか?」と答える)同じ言葉を何度も繰り返し、声のイントネーションが単調になります。
その一方で、見たもの聞いたもの(図面や音等)に対する記憶力や理解力は高いのです。
Bこだわり行動−ずっと水遊びをしていたり、時計を見ていたりするなど、一つの対象に異常な程興味を示します。また、特定のやり方へのこだわりが強く、いつもと違う道で買い物に行こうとすると怒り始めたりします。また手をひらひらさせる等、奇妙な行動を繰り返したりもします。
自閉症の人が同一の様式にこだわり、それを邪魔されると混乱するのは、他者の行動・情緒をよく理解出来ない彼等が、安心感を保つ為、自ら同じ行動を続けるしかない為だと考えられています。したがって、周囲はその事を理解し、彼等を脅えさせない方法で、より良い行動様式を教えていく必要があります。

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ