その場の状況に関係なく、目的も無いのに駆り立てられる様に繰り返す仕草や動作を常同運動と言います。体を揺する、頭を振る・打ち付ける、手を振る、爪を噛む、指をしゃぶるといった動作がよくみられます。
この様な行動によって正常な活動が著しく障害されるか(予防しなければ怪我をする恐れがある)そして、この様な行動が4週間以上持続す場合を常同運動障害と診断します。
殆どの場合、癖の様なもので、一過性でしなくなりますが、自閉症や精神遅滞等の1症状として現れる場合もあります。

爪噛み
繰り返し、駆り立てられる様に爪を噛みます。中には足の爪までも噛んでしまう子供もいます。早い場合には1歳頃から始まり、多く見られるのが4〜5歳から10歳過ぎ位までです。
つめ噛みは不安な時、あるいは退屈な時に現れたり、ひどくなるといわれます。
皮膚も傷つけ、指や爪の剥がれた部分からの感染により指の損傷を招く事もあります。

指しゃぶり
繰り返し、駆り立てられる様に指をしゃぶります。生後4〜5ヶ月頃に一過性に見られる生理的指しゃぶりが持続する場合、一度しなくなったのに再び始まる場合があります。
指しゃぶりは、甘えたい欲求が満たされない為の代償行為、また、何もする事がなくて退屈な時に出てしまう癖ともいえます。

頭突き
繰り返し、駆り立てられる様に頭部を壁等に打ち付けます。6〜12ヶ月の乳児期に始まる事が多く、特に欲求不満等の心因性の場合は乳幼児に多いです。
殆どの場合一過性ですが、学齢期まで続く例もあります。

体を揺する
繰り返し、駆り立てられる様に体を揺すり続けます。乳幼児では、欲求不満等の心理的要因による場合が多く見られます。

原因として、緊張を和らげる為、ストレスに対する信号、母性愛の不足、精神的葛藤、欲求不満、ドバミン作用物質の関与等が考えられていますが、まだ解明されていません。

治療としては心理療法の他、行動療法、精神分析療法、親子カウンセリング等が行われます。

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