言葉の発達に問題が無いにも関わらず、幼稚園や学校等話す事を期待される特定の場所、状況で話せなくなる状態が少なくとも1ヶ月以上続いた場合、選択性緘黙(かんもく)と診断されます。
女児に多く見られ、入園や入学等をきっかけとして徐々に、あるいはまれですが突然話さなくなります。
家庭や親しい友達とは普通に話すのに、それ以外では話さなくなります。
ささやいたり、一音節の単語を発したりする子供もいますが、大部分の子供は全く話さなくなります。
視線や身振りで意志を現す子供もいます。
話さなくなるのは家庭以外が殆どですが、まれに家庭以外で話すのに、家庭で話さなくなる子供もいます。
分離不安障害や不登校(登校拒否)等を合併する事がある他、言語障害、不安、怒りっぽい、反抗的行動等の症状を伴う場合もあります。
原因として選択性緘黙に陥る子供は異常な程の恥ずかしがり屋が多く、精神的ショックや家庭環境(両親の不和、過保護等)が上げられます。
治療法として軽症の場合は、成長と共に自然に治っていきますので、特に必要ありません。
重症の場合、就学以前の子供には、精神療法や親へのカウンセリングが行われます。学齢期の子供に対しては、個人精神療法や行動療法が行われます。
しかし、子供の自立が妨げられている様なら、親へのカウンセリングが行われます。
心理的な要因がはっきりしている例では治療もしやすいですが、子供の性格や家庭の状況が関係している例では難しい場合があります。
緘黙期間が長引くと性格形成や社会性の発達に悪影響が生じたり、イジメの対象にせれてしまう恐れもあります。
治療も困難になるので、なるべく早期の治療が望ましいです。

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ