ANOTHER GAME

□アルコール+彼女=×××?!
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―――――全く、どうして俺がここまで………。







「翔悟ー、まだかよー。」


「……っるっせぇ!待てねぇんだったら手伝いやがれ!!」





時はクリスマスイヴ。今では、もはやカップルの為の日と言っても 過言ではないだろう。



そんな日に俺は何をしているかと思えば、学校から帰るなり、一人キッチンに籠もり、黙々と料理をしていた。





……ことの発端はつい先日のことだった。



この日は天皇誕生日とかいう祝日で休み。


起きてからずっと家でごろごろしていた俺は、午後もゆっくりと過ごそうと考えていたとき。


ふと、携帯が鳴る。着信は洸からのもの。



「……もしもし。」


『あーもしもし、翔悟ー?』


「何だよ。」


向こう側からは楠木の声が若干聞こえる。


……何だかムカムカするな。



『明日なんか予定あるかー?』


「あるわけねーだろ。」


ああ、本当にイライラする。残念ながらお前とは違うんだよ。


そんな気持ちを押し殺して答えた。



『そっか。良かった良かった。』


「あぁ?!何なんだよお前。」


『翔悟、お願いだから怒んなって!』


「………………。」


怒りたくもなるっつーの。



『いやー……さ。明日の夕方からみんなでクリスマスパーティーやろうと思ってさ。』


「明日……。」



嫌な予感がするのは気のせいだろうか。



「それはどこでやるつもりなんだ?」


『えー?そんなの決まってんじゃん。翔悟の家だよ!』



………予感的中。



「で、お前らのために料理を作れと。」


『あったりー!!』


「お前な………。」


『ああ、言っとくけどもうこれは決定事項だからねー。今さっき、絵理香がみんなに連絡入れちゃったから。』


「ってめ、俺の許可なしに……。」


『あっ、もしもし橘君?そういうことだからよろしくねー?もちろん雅も来るから!!』


「な……って、おい!!」



ツー、ツー、ツー。




「………くそっ!」


奴らは用件だけ言って切りやがったのだ。



雅が来るんじゃあ断るわけにはいかない。


上手く利用されていることが腑に落ちない。




「仕方ねぇか………。」


俺はベッドから体を起こし、着替えると明日使う食材を買いに出かけた。




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