ANOTHER GAME

□魅惑の夏服
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翌日の放課後、そのまま翔悟の家へ。



……もちろん、あたしの鞄の中には例のセーラー服。



はぁー……。



本日、何度目か分からないため息。



「雅、あれ出せ。」



翔悟の言う“あれ”とはもちろんセーラー服のこと。



「はい。」



「“はい”じゃねぇだろ。着るんだよ。」



鞄の中からセーラー服の入った袋を取り出し、翔悟に突きつけるとやんわりと返される。



「………。」



「それとも着させて欲しいわけ?」



「違っ……!」



そんなわけあるわけ無いじゃないのこの変態!!



「俺に制服差し出すからてっきり……。」



「バッカじゃないの?!」



ニヤリと笑みを浮かべる翔悟の頭ん中は本当にろくでもない。




「……あぁ?」



翔悟の目がす…と細められる。



ヤバい。



押してはいけないスイッチを押してしまった感が否めない。



「いや、その……。」



取りあえず鞄を持ってリビングから逃げ出そうとしたが、翔悟の腕が後ろから伸びてきてそれを阻む。



瞬間、ふわりとあたしの体が浮いた。



「ちょっ……えぇ?!どういうこと?!」



じたばたと暴れるが、びくともしない。



そして翔悟が向かった先は…………寝室。




「気が変わった。やっぱり俺が着させる。」



「やだっ!!」



「やだじゃない。」



ボスン、とベッドの上に落としたかと思うと、逃げられないようにと両手を押さえられる。



「雅はイイコだから分かるよな?」



「っ………!」



これ以上事態を悪化させ、不利な状況に追い込まれることだけは避けたい。



あたしはおとなしく抵抗するのをやめた。





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