「暑ー・・・」
『暑いねー』
外はミンミンと蝉が忙(せわ)しなく鳴いて。
額にはとめどなく汗が吹き出て不快でしょうがない。
「なぁ、アイス食わねぇか?」
『うん、食べる!』
この提案に私は大きく頷いた。
「ん」
『ありがと』
パキッと小気味いい音を立て、差し出されたアイスキャンディーの片割れを口に含むと口いっぱいに広がるソーダ味。
『美味しいねー』
「おー」
答えをもらった直後、右手に絡まる少し汗ばんだ元親の左手。
「・・・来年は海行こーな?」
『うん、絶対行こうね!』
指切りではないけれど、繋いだ手をギュッ、と握り返しアイスを口に含んで、ギラギラと輝く太陽に目をやった。
*END*