弐拾萬打感謝企画

□相対心情
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【相対心情:相対)むきあっていること 心情)心中の思い】

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突然受信した1件の空メール。送り主の欄には紛れも無く彼女のアドレスからと表示されている。今日は彼女のクラスの授業も無く職員室に籠もっていた。だから今の時間まで顔を合わせることはもちろんなかったが、時計を見ても放課後には早すぎる時間だった。

「あー、片倉サン…」
初めてきた"誤送信"のようなメールになんとなく妙な予感がする。職員室の中、少し離れた片倉サンへ声を掛けてみれば書類整理をしていた顔をコチラにあげ「なんだ、」と渋い声で返事をしてくれた。

「…片倉サンのクラス、今日は全員出席してマス?」
「あ?」
「…」
「あぁ、"休んでるぞ"」
さすが。片倉サンは話が早い。俺の突然の問いかけに、理想的な返事で返してくれる。
「そうっスか…」
「…あとで"渡す"から頼めるか?」
「あ?…あぁ、良いっスよ」
主語の全く無い会話だが、俺の言いたいことを完璧に読み取ってくれたってことだろう。片倉サンのクラスの"欠席"は彼女ってことで、あとで課題なり何なりを持って行け、ってことらしい。

メールの返信は…今日はあえてしなくてもいいだろう。きっと、これは彼女から初めての"SOS"。自分に向けられた解りにくいメッセージをもう一度眺め直せば、自分でも気付かないうちに口元が緩んでしまっていた。


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◇元親先生の番外編で。(司様よりリク)

すみません、細かな設定がありませんでしたので好き放題書かせていただきました(にっこり)プロローグですが、どうぞシリーズとしてお付き合いいただけたら幸いです。司様、企画参加ありがとうございました!



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