弐拾萬打感謝企画

□空即是色
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【空即是色:万物は実体がなく空(くう)だが、それがそのまま真の実在であるということ】

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比べられるのはいつものことだった。俺のかわった髪の色に片目を覆ったこの包帯。世間一般からすれば珍しいものに値する俺の容姿に集まる奇異とした視線。それを、小さな頃から俺の横で同じように浴びて育ったヤツがいた。俺と同じ母親から、同じ時に生まれ、同じ環境で育った"俺の片割れ"

真っ黒な髪ににこりとも笑わない完全に愛想のない性格。本が好きな自分と、外を眺めるのが好きなアイツ。小さい頃は少しでも揃いになろうと女みたいな格好をしたこともあったが、当の相手はどこ吹く風で、本当にキョウダイなのかと疑われても仕方ないぐらいに正反対の印象だった。
「名前、行くぞ」
話しかけるのはいつも俺。言われた本人はあまり返事を返してくれることはないけど、必ず後ろをついてきてくれる。今の俺にとっては、唯一の家族である"血をわけた妹"

「今日は?昼どうする?屋上行くか?」
「…ん」
二人、少し離れながらも近い目的地に向かって並んで歩く。こんな年齢になっても妹と二人で昼飯なんて陰で色々言われてるのにも気付いてはいるんだが、別に他人からどう言われようと俺にとっては知ったこっちゃない。
「昼、迎えに来るから待ってろよ」
「…」
俺と目を合わせようとはしてくれないけど、名前がほんの小さく頷いたことを確認すると、昼休みまでの数時間、それだけでも離れがたく思いながら自分も教室へと向かっていった



・・・・・
◇冷めてるヒロインちゃんを元親が溶かすってなお話。(逸様よりリク)

この話で1本まるごと書けばきっとページ数は普通に増える。と思いながらもなんだかシリーズのプロローグとして納まってしまいましたwww逸さん、一ノ瀬に素敵設定のパスを投げてくれたにも関わらず生かせなくてすみません(切腹)シリーズとしてお付き合いください!!企画参加ありがとうございました!!



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