弐拾萬打感謝企画

□休眠打破
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【休眠打破:休眠)活動しないこと 打破)打ち破ること】


・・・・・・
ほんの30分、いつもよりバイトを早く上がれた。ほんの気まぐれ、いつもと違う道を走ってみようと路地を1本入り込んだ。ほんの偶然、家から少し離れた公園で見慣れた彼女が視界の隅に入り込んだ。

(…何やってんだ?)
バイクのエンジンを止め、静けさが目立つ敷地の中へと入ってみる。強いて言えばほんの"親心"。こんな遅い時間にフラフラするなんて非行の始まりじゃないか、なんて考えながら彼女の方へ足を進めていった。

(…ごめん、なさい)
(…、)
(付き合ってる、人がいる…から)
「(…お?)」
聞こえてきた彼女の声に足が止まる。
(…そっか…)
(…)
(やっぱ付き合ってたんだ…)
次いで聞こえてきたのは苦笑いするような男の声。

高校の頃髪も伸ばし、無駄に可愛くなっていくアイツを気に入るやつは俺の学年にもいたはずだ。俺には関係無いと思ってはいたものの、いざ付き合ってからこんな場面に遭遇するとは運が良いのか悪いのか。
「名前」
「ちか兄っ?!」
「話、終わったか?」
「…先輩」
まだ付き合ってもいなかったあの頃も、こんな風に割って入っていたのを覚えてる。
「悪ィな。コイツ連れて帰るぞ」
「ちょ、ちか兄…っ」
高校時代は俺の目がある分、こんな風にコイツに声をかけるやつは少なかったはずなのに、俺が卒業した今となってはここぞとばかりに狙うやつも多くなったってことだろう。男の視線を一身に浴びながら彼女を半ば引きずるようにその場から連れ出した。

すぐ後ろから痛いだの止まれだのわぁわぁ騒ぐ声が聞こえたが
「お前はもう黙ってろ」
「ッ!!」
バイクまではあと少し。だけど男にも見えるように思い切り口付けてやれば、名前の猛攻もピタリと動きを止めた。

「帰るぞ」
「………ハイ」
再び手を引けば、今度は打って変わって大人しく俺の後ろを着いてくる。バイクの後に引っ掛けてあったヘルメットを投げ渡せば見られたことが恥ずかしかったのか、それともまだ慣れないだけなのか、名前は真っ赤になった顔を隠すように渡されたメットを素直に装着したのだった。


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◇ヒロインちゃんが告られるのを見て幼馴染の兄弟関係を進展させたいー(七海様よりリク)
…って進展してないじゃあああああん!!!(絶叫)…自分で書いてびっくりした(ちーん)展開させきらない自分にびっくりした。うおおおん七海さまごめんなさいいいい。シリーズとしてお楽しみくださいー(泣きながら逃走←)企画参加ありがとうございました!!



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