弐拾萬打感謝企画

□二者択一
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【二者択一:ふたつのうち,どちらかを選ぶこと】

・・・・・
ここ最近、
「ちーかちゃん!」
「…"ちゃん"はやめてもらえるか?」
学校で、ちょっとした有名人になりかけている女の子がいる。
「あ、ごめんなさい!ちかちゃん先生っ」
「…さっきとあんま変わってねぇだろ?」
多分、その子は1年生。小柄でちょこまかと動きまわりながらも笑顔だけはいつも絶やさなくて
「"ちかちゃん先生"って何か可愛いですね」
「…そうか?」
そして、いつも元親先生の近くにいる。元親先生の周りでぴょこぴょこ飛び回る姿はまるで飼い主に甘える子犬のよう。彼女のその可愛らしい容姿も手伝ってなのか、この毎日のように繰り広げられる光景はもう日常になりつつあった。
「"ちかちゃん先生"って一回呼んでみたかったんですっ」
「あーそー」
(…あたしだって呼んでみたいんだけどなー)
「嫌、ですか?」
「あんまり嬉しくはねぇな」
(じゃあ、呼ばない)
「んー…じゃあ…ちーちゃん先生とか」
「却下。」
(ちーちゃんんん?!!はぁあああ?!)
「えーと…、じゃあ…」
(…。)
毎日、元親先生を見かける度にその子の姿も近くにあって、それなのに苛々するのは何だか私だけみたいで
「あー…もう好きに呼べよ」
「え?!いいの?!!」
「次の授業始まるぞ。さっさと行け」
「あ、ヤバっ!!ありがとうっちかちゃん先生!行ってくるね!!」
(わー、かわいーねー…)
そんなこんなで、とっても面白くない毎日が続いておりました。
「…名字、さん?」
「…」
「名字さん!」
「!! なんだ、佐藤くんじゃない。どうしたの?」
「…眉間に皺よってるよ」
「ぇ」
突然、隣に立った佐藤くんに言われて慌てて額を隠したけど、
「…先生行っちゃったね」
「…」
先生の後姿を見てしまえば、そんなことはもうどうでもよくなった。元親先生が人気があることぐらい分かってたし、今まであんな風景を見たこと無い方がおかしかったんだ。だけど
(…目、ぐらい合わせてくれたっていいのに…)
…どんどん離れていく姿を目で追えば、気持ちが曇っていくことだけは避けられようもなかった。


・・・・・・・・・
◇元親先生大好きな女の子が現れる。(優希棗様よりリク)
えぇとプロローグ的な感じになってるのは何故ですかすみません(←ホント予想外だと思います勝手にすいません;)ちょっとしたシリーズとして引き続きお付き合いください!
優希棗さま、企画参加ありがとうございました!


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