雨音が聞こえる

□二
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男の診察はしないと言いながらもシャマルさんは獄寺に治療をしてくれた。




そうしてシャマルさんのおかげで獄寺の容態がおちついたその頃に、不満顔のビアンキさんがかけつけた。




「…なぜ?
どーして隼人が入院してるのがここなのよ」



「ビアンキちゅわーん」



「よるな!!」



強烈な蹴りがシャマルさんの顔面にめりこむ。




……いったそー…




けどシャマルさんは蹴られたのがなかったかのように立ちあがった(鼻血は出てるけどね)



「なんだよー病院は危険だからって保健室つれてきたんだぜーー
男の診察はしねーけどベッド貸してんだしさー
いーじゃん。おじさんとあそぼーぜ」


「よくないわ!」


「ボヘッ!」



今度は腰のはいったパンチ。
それすらもなかったよーに立ちあがるシャマルさんの頑丈さがちょっと気になってきた。








ビアンキさんがシャマルさんとあたしたちの方に向く。



「隼人の看病は私がつきっきりでするわ!!
邪魔するのなら出てって!!」



『ビアンキさん』



「ビアンキ」




放たれた言葉は本心からのものだってすぐわかって。

やっぱビアンキさんはすごくいい姉さんだと思う。

だけど、獄寺に限って言うなら、


「んなことしたら…

治るもんも治らんぞ」


「たしかに」


『ハハハッ』



意識が戻った瞬間、ビアンキさんを見ていつもみたく気絶する獄寺がカンタンに想像できて笑う。





……ビアンキさんが殺気をまとってあたしの前にたたずんだ。



「山本弥白。何がおかしい?」



ビアンキさんが怖い顔であたしを見下ろす。



『え…あたし?』


「場合によっちゃ殺すわよ…」



近づいてくるポイズンクッキングの果物盛り合わせから身を引く。



なんで怒って……あ、そっか!
今のって、ビアンキさんからすれば獄寺が病弱だってのを笑ったことになるのか!



『スミマセン!』



「…次は無いわよ。そして隼人が起きたら謝って」



『りょ、りょーかいです』



うなずいたところで、顔の前まできていた果物盛り合わせがはなれていく。



あぶなかった〜…



「今のビアンキの勘にさわることは極力ひかえたほうがいいぜ
何されるかわかったもん…ぶっ!」


耳うちしてきたシャマルさんの顔にメロン(ポイズンクッキング)が当たった。



「うるさいわ」





…うん、静かにしてよう。










リボーンくんが保健室に入ってくるまで、部屋には重い沈黙がおちつづけた。




















ツナはいつの間にか保健室からいなくなっていた。









end.
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