雨音が聞こえる
□一
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あの人を無事にヒバリの元(とはいってもそばで控えてる風紀委員にだけど)に送りとどけたあとはフツーに学校に通った。
空席の多い教室をみまわす。
先週もちらほら休みの人はいたけど…今は休みじゃない人を数えた方が早いような感じだ。
ツナも獄寺も京子もいないなんてよっぽどの事態なんだな〜と他人事のよーに考える。
そこには、いたって普通のあたしを襲う物好きなんていないよな〜って気持ちがあった。
そうそ、あたしが眠りに落ちるちょっと前に獄寺が遅刻してきた。
多分3時間目あたり。
ぐっすり寝てたあたしを起こしたのは
「コラ獄寺!!きさま遅刻して今来たばっかりだろー!!」
先生の大声と、うしろの扉が開いて閉まる音。
『……ん?』
まさかと思って目をこすりつつ見ればやっぱり獄寺がいない。
獄寺目当てで今日も来た子が露骨にがっかりしてるのが見えて苦笑いした。
それから数分後
「獄寺君!!」
獄寺と入れ違いでなにやら必死な様子のツナが教室にとびこんできた。
「沢田か。どーした?
獄寺なら今さっき早退していったところだぞ」
「ええっ早退したー!?そんな!」
「ちょっ コラ沢田!!来てそうそう帰るなーー!」
普段ならセンセーに怒鳴られれば止まるはずのツナはそのまま走ってった。
「…ったく……」
さすがのセンセーもあきらめて、また授業がはじまる。
今のツナの様子を不思議がってか教室がざわついたけどそれも少しの間。
空席ばかりの教室はいつもじゃありえないぐらい静まりかえっていた。
《校内にいる教職員、並びに生徒に連絡します―――》
静かすぎる並中内にその放送が流れるまで、あと、
end.