雨音が聞こえる

□一
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朝。いつもの道をいつものよーに走ってたあたしの前に、



うつぶせに倒れるリーゼント頭の男子があらわれた。







『しっかり!あたしの声聞こえてる!?』




声かけしてる最中に彼の右腕に"風紀"の腕章がかけられてるのを見つけて 彼が風紀委員の1人だってことを知る。








「………ぐ…」



声かけすること数十秒。

小さなうめき声をあげてゆっくりと体を起こした。





「こ…ここはぁ…」




あれ?





「しょうか、おれは!」





なんか発音おかしくない?







『!』




彼の口の中が一瞬見えて思わず目を見開く。



妙に口のまわりが血だらけだから変だと思ったら……歯が何本かないじゃん!







疑問が口をついて出た。




『いったい何があったんすか?』



「……これふぁ風紀委員会の問題だ
一般生徒においそれと情報を渡すわけにはいかない」


『そーっスか〜〜っ』




いい人だな、と思う。
けど1つ聞いておきたいのがあったからそれで質問は最後にすることにした。




『こたえてもらわなくてもいいんですけど、
倒れてたのってこのごろの襲撃事件と関係あったりします?』



「………」





あたり。






「っ、首をつっこむんじゃない!
今のところは女子に被害はないが、だからと言ってこの町が安全なわけではないんだ!早く家に帰れ!」






そうまくし立てて、彼は傷だらけの体を引きずり……多分ヒバリのもとへ向かってく。












あたしはよろめく背中を見て、ちょっと考えて、





『よし、んじゃ安全なとこへ行くことにしますか!』





そうして、まだたいして進んでない彼に肩を貸すべく足を踏みだした。











(行き先は並中応接室ってことで)





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