雨音が聞こえる

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「じゃあ、君達三人と それぞれサシで勝負しよう。

お互い ヒザをついたら負けだ。」





ニィッとわらうヒバリのうしろには 満開の桜並木。




ツナ・獄寺・あたしの3人は、ヒバリと花見の場所をかけて勝負することになった。








「やりましょう10代目。いや、やらせて下さい!」




真っ先に「やりたい!」って言いだしたのは獄寺。



前に応接室でやられて以来、彼がヒバリとたたかうチャンスをさがしてたのは あたしもツナもよく知ってる。




だからさすがのツナも止めきれなくて、弥白はどうする、って感じでツナがこっちを見た。




あたしは苦笑いで肩をすくめると





うなずいた。



ツナの表情がかたまる。




『一応ルールあるし、花見したいしね』


「みんなやる気なのー!?」



あたしだってヒバリにボロ負けしてるし、リベンジしたいって思ってたんだ。





ヒバリさんメチャクチャ強いじゃん!ってさけぶツナを獄寺となだめてると、




「消えろ」


「のへーーー!!!」



ツナのおじさん…じゃなくってシャマルさんがヒバリになぐられてた。




しかも一発じゃヒバリの腹の虫がおさまらなかったらしく、たおれかけたとこに蹴りをいれられて。






シャマルさんは木にぶつかってうごかなくなった。








……やっぱハルのパンチの威力ってヒバリのトンファーとおんなじぐらいあるよなーι





目の前で見てあらためてそー思った。













「10代目。
オレが最高の花見場所をゲットしてみせますよ!」


「えっ でも獄寺君 相手は……「まぁ見てろ」…! え?」




前にでる獄寺を止めようとしたツナの言葉をリボーンくんがさえぎる。



言われたとおり獄寺の背中を見た。


彼は、リボーンくんの開始のあいずで まっすぐヒバリにむかって走りだす。




「てめーだけはぶっとばす!!」



ポケットからいつもの花火をとりだして、走りながら投げる体勢になる。




おー、走るスピードもかまえるのも去年よりもずっとはやくなってるな〜。


…だけどこのままだと前と同じくカウンターを食らうことになる。




「いつもまっすぐだね」



たぶん、ヒバリもあたしと似たよーなことを思ったんだろう。




「わかりやすい」



まっすぐ走ってくる獄寺をむかえうつつもりだ。












ま、でも、獄寺のことだからなんか考えてるとは思うけどさ〜













獄寺はトンファーのうごきを見切ってかわしてみせた。



必殺の一撃をよけられると思ってなかったのか、ヒバリの獄寺を追ううごきはにぶい。



なんとかうしろに攻撃をしたけど、獄寺はもうトンファーのとどかないとこにいた。




ある程度間をとった獄寺は、立ちどまる。
タバコのケムリをはきだして 獄寺はしずかに言った。


「果てな」





すれ違いざまに 獄寺がヒバリのまわりに"おいてきた"花火が爆発した。








花火ってあんなたたかい方もできるんだ…


こーして見て はじめてそんな使い方があったことを知った。




「え゙え゙っ
まじでヒバリさんを!!」



「あのスピードと柔軟性は、強化プログラムで身につけたものだぞ」




強化プログラム…って、たしか獄寺があたしを「やまもっちゃん」って呼んだときのだよね。


今でも あの いつもは絶っ対あたしにむけない満面の笑顔は思いだせる。




それほど印象的だった。








「…で?」



勝ちムードがただよってた空気に割りこんだ声。



おもく風をきる音とともに、ヒバリが砂煙の中からあらわれた。



「続きは ないの?」


「なっ、トンファーで爆風を!?」



どーやったかいまいちわかんないけど、花火の爆風にトンファーをまわしておこした風をぶつけた…みたいだ。

ヒバリはまったくの無傷。



「二度と花見をできなくしてあげよう」




おどろいてた獄寺はその言葉で我にかえって、
すごいスピードで走りこんでくるヒバリを見切ろうとしてる。



一撃目。


二撃目。



だんだん獄寺はトンファーをよけきれなくなってくる。




彼の頬にトンファーがかすったとこで、あたしはリボーンくんにわたされたバットをにぎった。





…そろそろ、かな?








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