雨音が聞こえる
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―さくら、さくら
野山も里も見渡す限り
霞か雲か朝日に におう
さくら、さくら
花盛り――
朝に霧がでる日ってあったかくなるんだって。
今日もそうだったらいいな、と願いながら うっすら霧がかかる道にふみだした。
冬のなごりなくなってきて 桃の節句もとおりすぎた。
桃の花が咲いたときでも十分春をかんじたもんだけど、やっぱ春といったら桜。
で、桜といったら花見!
今日はリボーンくんたちにさそわれてツナんちの花見にまざることになった。
ちなみに
一緒に花見に来たがってたオヤジは、皮肉にも花見客の注文が多いせいで休みがとれず、泣く泣くうちにのこってる。
『オヤジこーゆーの大好きだからさ、ホント悲しそーだったよ』
「へーっ
花見できなくても笑って「また来年なっ!」って言うイメージがあったけど…」
『そーかな?オヤジは好きなことに関しては けっこうガンコだよ』
「意外だ…」
「まんまテメーじゃねぇか 野球バカ!」
『うん、血はあらそえないよな〜』
「いや否定しろよ」
『自分でもオヤジそっくりだって思うから今さら否定してもさー』
「たしかにそっくりだよね、性格とか…」
『ん。親には自然と似るもんだって
ツナも獄寺もどっかしら似てるはずだよ』
「「……………」」
父親の話をふると、とたんに黙りこむ2人。
ヤバ、地雷ふんだかな。
心の中でつぶやき、まわりを見てあたらしい話題をさがす。
『…桜、今日あたり満開だねー』
せっかくこれから花見なんだし、桜の話題が一番。と、2人に話をふる。
『いい花見になりそーじゃん』
「まだ早朝ですし、最高の場所をゲットできますよ!」
「う…うん」
獄寺はすぐにいつもの調子に戻ってツナに声をかけてくれた。
獄寺も、うなずくツナも とりあえずさっきの話題は流したみたいだ。
…やっぱ 2人ともいろいろあるんだろーな。
それからはいつもみたくとりとめのない話をしながら並盛中央公園に向かってった。
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