雨音が聞こえる

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『じゃ、あたし今日は早めに帰んねーーっ』


「うん、じゃあね弥白〜」


「気をつけて帰るのよ。
あんたっていつもはぜんぜんケガしないくせに、行事とかだと気を抜いたその瞬間にケガするんだから」



『花 きびし〜

じゃ、2人ともまた明日!』




2人の他にもクラスメイトみんなにあいさつをしていく。同じクラスの野球部員には今日部活に出れないって部長に伝えてってたのんだ。




最後に言いに行ったツナは 頬杖をついてどこかうれしそーに窓から外を見てる。

弟みたいな存在のリボーンくんの成長がうれしいのかな。
(※注 リボーンとツナはお互いを家庭教師と生徒として認識しています)





『ツナ、部活ないけど先に帰るねー』


「わかった。バイバイ弥白」



話しかけるとどこか上の空で返事がかえってくる。



ちょっと気になったけど 時間がないからスルーして家路をいそいだ。









そこからはホント忙しかった。



うち帰ってすぐあたしが魚をさばいて、それをオヤジが握って、少ないとはいえ何人か来てるお客さんの注文には優先してこたえる。
56分っていう今までの最速記録を更新してできた出前寿司をふろしきに包んですぐに着替えて。
菓子ボックスからいくつか菓子とジュースを出してビニール袋に入れて片手にふろしき、反対にビニール袋でバランスをとって家を出た。






やっと一心地ついた…と息をつき商店街にある帽子屋を見たときにようやく



『あ プレゼント!』



リボーンくんへのプレゼントを用意してないことに気がついた。



『あっちゃ〜…どーしよ』



こんな時間じゃ手作りのものは用意できないから買ってくとして、それを何にするかだ。



妥当なとこで考えると、コーヒーとか帽子とか本とかCDか。


コーヒーが好きだって前に聞いた気がするけど、値段が高すぎて手が出せない。


帽子は縫い物系だからハルとかぶるかもしれない。






ふと、今何円もってるのか気になってポケットをさぐると
小銭ばかりで823円。



……CDはムリだ








『てことは、本か……お!』





タイミングよく さびれた小さな本屋を見つけた。



ここらへんのことはだいたい知ってるつもりだったけど、はじめて見る店だ。


看板にはBOOKって書かれてるから本屋にはちがいないんだろうけど、見た目アンティークショップって感じ。





その店にすごく興味がひかれてあたしは、店中に入った。








カラコロロ...













―お一人様、ご招待―







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