雨音が聞こえる

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野球部は体育祭の飾りつけを手伝わないといけない。


それはあたしも例外じゃなく、
(マネ兼代打だから選手扱い)



ジャージに着替えて飾り付けを手伝っていた。







飾り付けも終盤にさしかかってきたとき




「おい」


『ん?』



リボーンくんらしき声が聞こえた。






その声のぬしは




「パオーン!」



いつか見た……え〜っと




『あ〜〜っと…パオパオ老師さん、でしたっけ』



「パオ」



うなずくパオパオ老師さん。


あってた…見た目のまんまで言ったから間違ってたらどーしようかと思った…




『それで、あたしに何か用っすか?』



「ああ。
沢田綱吉の棒倒しの練習に付き合うパオ

ボンゴレファミリーに入ってる奴は絶対に行かないとダメパオよ」





そっか絶対か〜


ま、ツナの実力見てみたいからいいけど。





『了解!いつどこに行けばいいの?』



「飾り付けが終わり次第校門にいる獄寺・笹川兄と合流していくパオ」



『オッケ じゃさっさと片付けちゃうんで』













言葉通りさっさと終わらして2人と合流した。




パオパオ老師はいなかったけど
「先に行った」とのことであたし達も急いでツナのところに向かう。







道中


『それ重くないっすか?』



棒倒しの棒を1人で担いでるセンパイに聞いてみた



「いいや、オレは毎日極限に鍛えているからな
これくらい屁でもないぞ」


『すごい……』




顔色を見るかぎり強がりでもないらしい。



やっぱボクシング部部長だけあるな〜








「…………………」



獄寺はしかめっ面で黙々と歩いている。



ツナ以外みんなに対してこんなんだから恐がられるんだよ…


無理してでももーちょい丸くなればいいのに








っと、まだ遠いけどツナ発見


隣にいるのは京子かな?






獄寺達も気づいたのか、少しだけ歩調がはやまる。



身長差からくる足のリーチのちがいがうらめしい。



結局あたしは小走りでついてくことになった







「こんなところにいたのか沢田!!」


「どこいたんすか10代目!」




あれ、ツナがどこいるか2人とも知らなかったの?




と一瞬思ったけど、スルーして驚き顔のツナにあいさつ



『やっほーっ』









「京子ちゃんのお兄ちゃんはまだしも
なんで獄寺君と弥白までいるの!?」



あたし達がようやくツナのそばに着いたときに言われた言葉。




練習するの秘密にしてたのね




『棒倒しの練習にさそわれたんだ』



「明日勝つためにもグッドアイデアだと思ったわけっス」



「なぁっ!?」



そこで笹川センパイの方を見るツナ。




「オレが誘ったのではないぞ

例の老人がな」



「ろーじん?」




そりゃ1人しかいないっしょ




「タイの長老パオパオ師匠だ」



「パオーン!」



いつからいたのか、棒からすべりおりてきたパオパオ老師。





「へんなジジイ」


そう言った獄寺を一瞬見たと思ったら














いつの間にか獄寺が地面に倒れていた。



「ちょっ獄寺君大丈夫!!?」


それを見たツナが獄寺をゆする。



「大…丈夫です……
…10代目がお亡く…なりになる…その、とき…まで……オレは……」




ガクッ




「獄寺君ーーーー!!!?」



「さて、つまらない前座はほっといて早く行くパオ」



「よし、川原に行くか」


「パオーン」



どうしようか迷ったけど、センパイ達についてくことにした。





「ちょっ えっマジで練習すんの〜〜!!?
ていうか獄寺君は!?」



そんなツナの叫びに近い声が聞こえたから振りかえってこたえる。



『そーだよ。
獄寺は(多分)練習場所知ってるから、気がついたら追ってくるっしょ

じゃ、ツナも早く来なよ〜』





と言って前を向くと、ツナがゆっくり立ちあがった気配が。





だいぶ離れたセンパイの背中を見失わないようにあたしも歩きだした。






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