雨音が聞こえる

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リボーンくんの案内で着いた応接室。




「先に入れ」とでも言うようにドアの横に寄ったリボーンくんに甘えて先に入る。





最初に見えたのは、しっかり手入れの行き届いた家具たち。



次に窓から見えるきれいな景色。



ここまで見て、あたしの口から自然と言葉が漏れる




『へ〜〜〜
こんないい部屋があるとはねーー ―――!』




そして3番目に見えたのが



「君、誰?」



奥のソファーに寄りかかる黒髪の男子生徒。









この人は…


風紀委員長でありながら不良の頂点に君臨する

ヒバリこと雲雀恭弥…!!!




「なんだあいつ?」


『獄寺 待って…』





あたしも登校中に校門の近くで何度か見たことがある




「風紀委員長の前ではタバコ消してくれる?

ま、どちらにせよただでは帰さないけど」





パッと見普通の男子生徒だからわかりにくいけど





「!!んだとてめ――」












「消せ」




獄寺がほとんど反応できないスピードで、彼のくわえるタバコを半分に切る




「なんだこいつ!!」








ヒバリは気に入らない奴がいると、



相手が誰だろーと
仕込みトンファーでめった打ちにする鬼の面を持っている――…







「僕は弱くて群れる草食動物が嫌いだ

視界に入ると





咬み殺したくなる」





彼の目はあたしにもはっきりそれだとわかるほどの殺気でみち溢れていた。







やっかいなのにつかまったな…







ヒバリとあたし達の間に緊迫した空気が流れるなか




「へー はじめて入るよ応接室なんて」




今の状況を知らないツナが応接室の中に入ってきた。







その瞬間、ヒバリの痛い程の視線があたし達2人からツナに移ったのを感じる。





『まってツナ!!』



「え?」

「1匹」



鈍い音をたててトンファーで殴られたツナは壁際まで吹っ飛ぶ。





「のやろぉ!!ぶっ殺す!!」



ツナが倒されたことでキレた獄寺がヒバリにつっこむ。




だけど

「2匹」



つっこんだ勢いを利用され返り討ちにあった。






「さて、残ったのは君だけだけれど…どうする?

ま、女は女らしく泣いて許しを請えば許してあげてもいいよ?
女は咬み殺しても五月蝿いだけだからね」



『っあんたね…!!!』




ここまで友達がやられてるのを見て
自分だけ助かるようなことするわけないでしょ…?!






あたしがそんなことをしないと悟ったヒバリが、トンファーを両腕に装着して攻撃してきた。






一応攻撃は鍛えた動体視力のおかげでかわすことはできる。





けど、武器も無い格闘技もやってないあたしには反撃の術がない。













しばらくよけ続けていったとき何かに気がついたヒバリが口を開いた。






「ケガでもしたのかい?右手をかばってるな」












!! 気づかれた…!





前に折ってから、右手はもう傷つけちゃいけないような気がして。


かばってる自覚はあったけど今まで直せなかった。








いきなり右腕に攻撃するフェイントをかけられ、
思わず動きが止まったところに強烈なキックが入る。






勢いそのまま壁に叩きつけられて遠くなる意識の中、ツナの声が聞こえた気がした。









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