雨音が聞こえる

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ところ変わってツナんちの前。






「なんだか叫び声みたいなのが聞こえてくるねーー」


『だね。ま、入ってみればわかるか』





外からでもわかるくらいの大声がツナんちから聞こえてくる。







この辺ご近所トラブルとかないのかなー




そー思いながらドアノブに手をかける。





やっぱりカギは閉まってなかった。










薄くドアを開けて中を覗くと、
泣いてるツナ・知らない男の人・ビアンキさんがいた。






『ん〜〜〜…とりこみ中?』





あ、心の声が漏れた。




「!弥白!?」





『あちゃ〜気づかれたか〜 おじゃましまーす』



「おじゃましま〜す!」




「それに京子ちゃんまで!! どっどーしたの?」




「お兄ちゃんがツナ君をボクシング部に入れるの全然あきらめてなくて
ツナ君にボクシングの本をわたせって」



『あたしはツナんちまでの道案内』




この辺は庭みたいなもんだから、2回くればだいたい道わかるんだよね。





京子を見てちょっとうれしそーなツナ。

そんなツナの体を見て京子が一言




「ああ ツナ君ボディペインティングしてるの〜〜!?」



「!! いやこれは!ちがうんだ!」




そう言われたツナはというと、腕のもようを急いで隠そうとしてる。




ボディペインティング?
あ、ホントだ………って あれ?




ちょっと遠いし動いてるしで確証ないけど、
ボディペインティングらしくないマイナスなことが書かれてる気が…








すると



「お 君らかわいいねーー
チューしてあげる」





さっきっからビアンキさんに殴られたりしてた男の人がいきなり肩を抱いてきた。







う、アルコール臭がする…





「んなっ
ちょっあんた動物ですか!!っていうか2人に近づかないでください!」




あたし達と男の人の間に割ってはいるツナ。





「ケチだな〜〜日本は一夫一妻制なんだろ?
だったらどっちかはいーだろーが。

しかもあと5分で死ぬんだからそんなのカンケーないじゃねーか」




一夫一妻制って…ι

少なくともあたしとツナはそんなんじゃないしι








まさかツナのおじさん酔ってるのかな。





「アハハさっきから変なことばかり言って面白いおじさん」



「え」





お酒ってことは、なんかのお祝い事?




『ツナのおじさん酔ってる?
さっきっから勘違いされてるよι

で、誰かの誕生日かなんかならあたし何か持ってくるよ?』



「いや大丈夫!なんもないから!」




あたしたちの会話を聞いてたらしいツナのおじさんが一言。




「ほーら黒髪の子はともかく、茶髪の子には気に入られちゃったよ
チューはすぐそこ」


「そんなーーっ!」





あーー酔うと手がつけらんないタイプの人なのか〜〜


うちにもたまにそーゆー人くるけど大変なんだよね…



ツナご苦労様。












「うおおおお!!!死ぬ気で京子ちゃんを守るーーー!!!」



今までかたまってたツナがそー言ってワイシャツを脱いだ。





その体中に、ドクロマークとマイナスな言葉。



なーんか、おかしいよなー




「ツナ君まで変なこと言ってーー

わーーいろいろ書いてある〜〜」




守るって言われた本人の京子がツナの体を見てそーゆうと、
ツナは半泣きでしゃがみこんだ。




「やっぱりはずかしーよ!!秘密をさらすのも死ぬ気になるのも!!!」




秘密をさらすのがイヤってことは……あんまここにいないほーがいっか。





『京子〜 帰ろーよ
あたしこの後部活だから早く戻んないと』



「え?まだ本を渡せてないけど…」



『今回はあたしが渡しとくから大丈夫』



「…うん、じゃあ帰ろっか」



京子の背をおしてそそくさと退散する。






その時に

「まったくツナはダメでいくじなしの根性なしだな」

「そーだよどーせオレはダメダメだよ!
ダメツナなまま死んでいくんだ!!もーほっといてよ〜〜!」



って聞こえたから、首だけふりかえって言っといた。



『ツナ。ツナはダメダメなんかじゃないよ
あたしの自慢の親友なんだから』




目を丸くしてるみんなを気にせずドアを閉める。









『じゃ、行こっか』



「うん!」







京子から預かった本は次の日しっかり渡しといた。







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