雨音が聞こえる

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キーンコーン



『はあぁぁ…やーっと終わったーー』




いつも通り寝てばっかだったけど、今日も学校が終わった。





『さて部活部活♪っと』





部活に行くために荷物をまとめていると、




「ねえ弥白!ツナ君にこれ、渡してくれないかな!?」




京子が一冊の本を渡してきた。


なになに…はじめてシリーズ ボクシング 一血涙編?




『……なんで?』




「えと、お兄ちゃんがツナ君をボクシング部に入れるの全然あきらめてなくて
ツナ君にボクシングの本をわたせって言うんだけど…なかなかタイミングがなくって


それで、弥白 ツナ君と仲いいから渡しやすいかな〜〜って思ったの」






それを聞いたとたん、スッと心が冷えた。




『ごめん、渡すなら京子が自分で渡してくれないかな?』





前に言ったと思うけど、
あたしは相手が本当に困ってる時の頼みごとしかうけつけない。



頼んできた相手がどんなに仲いい人だったとしてもだ。





「そっか『でも』…?」





相手が自分でやる手伝いをするときだってある。




『それ渡したいんだったら、ツナんちまで道案内するよ?』






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