雨音が聞こえる

□8
2ページ/4ページ


獄寺に連れてこられたのは校舎裏。





そこで何があったかというとなにも無く。







あたしが無言の獄寺にただ睨みつけられてるだけの時間がずっと流れている。









さすがに気まずくなってきたからあたしから口を開く。




『あのさー獄寺…
呼びだしといてだんまりにらめっこはないんじゃない?』




話してる間も睨み付けながらあたしの周りを回る獄寺に苦笑い。








あたしなんかした?






あ、そういえばテレビで言ってたっけ


『あなた牛乳飲むといいよ
イライラはカルシウム不足だから』




ちょうどバックに入ってたコーヒー牛乳を取りだして見せると、
獄寺は背中を向けて震えはじめた。








あれ、コーヒー牛乳ダメなのかな?





そう考えていると、



「おーい!!!」




『「!」』






「10代目!」



『や』





ツナが走ってこっちに来た



全速力で走ったみたいで、ひざに手をつけて荒い息をしてる







それよりすごく気になるのは、




『!? なにその子。ツナの弟?』




ツナの腰についてるヒモを持つ
帽子をかぶった小さい男の子。




「へ?げっ、リボーン!!

どーりで重いと…」




「ちゃおっス」



ツナが顔を向けるとあいさつ(?)をしたリボーンくん。



あたしの方にむきなおって彼は言った。





「弟じゃねーぞ

オレはマフィアボンゴレファミリーの殺し屋リボーンだ」





ボンゴレって…アサリ?








なるほど!


お母さんに教えてもらった言葉を使ってマフィアごっこをしてるのか!





だったら…








『アハハハ、そっか。それは失礼』





どーせなら乗ってみようかな





「へ!?」




『こんな小さいうちから殺し屋なんて大変だね』




この子の役は殺し屋なんだね




「そーでもねーぞ
おまえもボンゴレファミリーに入るんだぞ」




「ちょっ、おいリボーン!」



『まーまー相手は子供じゃない』




ツナがリボーンくんをしかりそうだったからさりげなく止める。





『あたしらも小さい頃やったっしょ?
刑事ごっこだったりヒーローごっこだったり』







小さい頃を思いだすなー。

近くにいる小学生の人とか誘ってやってたんだよね〜







『よいしょ』




しゃがんでいるのも疲れてきたからリボーンくんを抱っこして立ち上がる。





「ファミリーの10代目のボスはツナなんだ」





あ、だから獄寺がツナを「10代目!」って呼ぶのか




というか10代目って世代交代があるんだ。

かなり本格的!






『っへーーーそれはまたグッドな人選だなぁ』





ツナは優しいし、たまにすごく頼りになるからボスにぴったりだ。



やっぱ頼りになる人がボスじゃないとね。





そして今度はあたしがごっこに誘われてる番









うん、決めた!






『よし、わかった

んじゃ、あたしも入れてよそのボンゴレファミリーってゆーのに』




そう言った瞬間リボーンくんがうれしそうに笑った。




「えーーーー!!や…弥白!?
何言ってんの!?」




「ちっ」











さぁ、始まりの一歩が踏み出された。






次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ