雨音が聞こえる

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ツナと色々話しながらしばらく歩くと、
「沢田」という標識の家についた。






「ここだよ」




『ここか〜。そこそこ大きい家だね』




「そ、そうかな?



ただいま〜」





ツナの後に続いて中に入る。




『おじゃましま〜す』





入ってすぐ目にはいったのは、





むかって左側にある扉の横の壁に空いた人型の穴。




なんて斬新なアイデアなんだ!








『ツナ、この穴って…





ドア開けんのめんどかったの?』




ツナの肩が揺れた気もするけど、気のせいか。









一方ツナ。


「(ある意味あってるしー!!!)」


冷や汗ものだった。








「ま、まぁそんな感じかな…あ、こっちだよ」






二階に上がり、一つの部屋の前に連れていかれる。





『ここ?』




「うん。
えっと…
何を頼みたいかは中入ればわかるだろうから…
……後はよろしく!」




そう言ってツナは階段を降りていった。





『…?ま、いっか』




中入ればわかるらしいし。








ドアを開けて部屋の中に入る。









『…普通の部屋だと思うんだけ、…ど…って京子!?』




ぱっと見、普通の部屋だった。


けど、

その部屋のベッドで京子がスヤスヤと眠っていた。









どう考えてもここはツナの部屋。








へ?






は?







二人はいつからそーゆー関係に…(滝汗)












とりあえず、意を決して京子の上にかかってる布団を剥いだ。








そのとき京子が下着を着てくれていたことにかなりほっとしたあたしだった。











寝てる京子に謝ってから、下着を取らずにちょっとチェックさせてもらった。


だけど、見た感じ変なとこはどこも無く。










その時安心してものすごく体の力が抜けたのを覚えてる。









そのあと京子に持ってきた服を着せ、ツナのところに向かう。













『…………………ツナ?』




今のあたしはすごく怖いと思う。





「えっと、あああれは、その…」




ツナがすごくどもってるし。




『とりあえず何も無かったのはわかった

けど、次同じことがあったら……わかるよね?』




「…………!」






無言で何度もうなずくツナ。







『ま、どうしてもする必要があったってときはまた助けるから』





「あ、ありがとう…」









『じゃ、あたし帰るね。
京子は連れて帰っとくから心配しないで』






京子を背おってツナんちを出た。














京子のうちの人たちには、歩いてるときに頭打って気絶したって伝えといた。







後からツナにそのことを言ったら、ものすごく感謝された。













あたしは、もう二度とこんなことが起こらないでほしいと一人願ったのだった。













でも、少し先の未来に
同じようなことをまたするはめになるのを、あたしはまだ知らない。








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