雨音が聞こえる

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球技大会のほとぼりも覚めてきたある日。



「イタリアに留学していた
転入生の獄寺隼人君だ」



うちのクラスに転入生が来た。













彼を見て、何人かの女子の間から「かっこいい」という言葉があがる。






あたし?






あたしは、白髪なのは染めてんのかな〜とか、イタリアってどの辺りだったっけ?とか考えてた。





転入生に目を戻すと、誰かを睨み付けているように見えた。



その視線をたどると、いるのはツナ。





知り合いなのかな?






センセーが転入生…じゃなくて、獄寺の席を教えようとしたとき、獄寺は教える前に歩きだした。




そのままツナの机にあたって、また黒板の前に戻っていった。






緊張して間違えたのかな、って眠たい頭でそう思った。








朝のホームルームが終わると同時に、獄寺はどこかに行った。








さっき獄寺を「かっこいい」と言っていた友達が話しかけてくる。




「ねぇ弥白!転入生の獄寺君かっこいいと思わない!?」



言うと思った。



『見た目はいいとは思うけど…別に?』



「また弥白はそうやって…あなた顔はすごくいいんだから、もっと貪欲になりなさいよ」




いや〜、今のとこ恋愛に興味ないし。


思ったことをそのまま伝えたら、なぜか呆れられた。



『ところで、ファンクラブっていうのホントに作るの?』



「ええ、もちろん!」



『はは、頑張ってね』




話していたら、あっという間に授業の時間。








あれ、ツナと獄寺は?






そう思ったけど、朝のバッティングで疲れてたあたしは寝ることにした。



















ドーーンッ!






『…はれ?』



寝ていたら、何か爆発音らしきものが聞こえて目が覚めた。



「どうした山本?」



センセーは何事もなかったみたいに聞いてくる。



だから、空耳だったんだと思うことにした。



『いや、なんでもないです。ちょっと変な夢見てました』



そう答えると、みんながクスクス笑っているのが聞こえる。




『んじゃ、寝直しますんでよろしく』



「待て、山本。せめてこの問題解いてからにしろ。X=なんだ?」




ん〜〜…眠いんだけどなぁ…。

あてずっぽうでいいか。




『…8?』



「……正解だ。」




おお、当たってた。


勘ってすごい。



と思ったのもつかの間。




机に伏せてあっという間に眠りについた。














一方ツナは、新しいファミリー(獄寺隼人)をゲットしていた。








end.
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