雨音が聞こえる
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結局ツナはあの後OKしたらしい。
その証拠に、バレーの人たちがニコニコしてる。
チャイムが鳴ると同時に、ツナ含むバレー組はみんなの応援をうけつつ会場に移動していった。
教室からみんなが少しずつ会場に移動していくけれど、
あたしはギリギリまで寝てからいくことにした。
試合開始まであと5分。
あたしも行きますか。
誰もいない会場への道を歩いていると、少し前を一人の男子がフラフラ歩いてるのを見つけた。
あの特徴的なすすき色の髪は…
『あれ?ツナ!
バレー出るんじゃなかったっけ?』
やっぱりツナだった。
声をかけた瞬間びくっと肩がはねる。
『早くしないと始まるよ?』
そう言っても無言で目を泳がせるツナ。
『ほらはやく』
何も言わないことに焦れて、ツナの手を引き歩きだす。
『みんな待ってるからさ』
「う…うん」
なんか暗い顔してるけど、気にせず体育館に連れていくことにした。
だってみんなの努力はムダにしたくない。
『みんなのために頑張って、ツナ』
聞こえるか聞こえないか位の声量でツナに言う。
反応が無いから、多分聞こえてない。
そのことに、なぜか寂しさを感じた。
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