光と闇の先に
□時間
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時刻は7:50
霞む目を擦り、もたれていたベッドから腰を浮かす
目に入るは血で濡れた手
目が覚めたという事は死ねなかったのか、と思うがどうやら違うらしい
『私も、私が嫌いなのかな…』
この傷を付けた瞬間、心にあった違和感が取れた気がした
それが何なのかわからないけど
ツゥ…ッと赤い線を指でなぞった
『……何でだろ』
佐助に綺麗だねって言われた髪も、幸村に上手だと褒められた字を書くこの手も
政宗に……可愛いと言われた笑顔を作る、この顔も…全部
今の私には汚れたものにしか見えない
時計の針は午前8:00
時間は刻々と過ぎるのに
私の時間は止まってしまった