ワレモコウ
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『なんで由希がルドルフに入学したかまだ分からないみたいだから言うわ。良い?由希』
由希「彩夜が良いなら…良いよ」
少し置いてから、由希が口を開いた。
『由希はね…。あの事件から私を気付かって、ルドルフに入学したのよ。それと、アンタが何もかも邪魔するから嫌になった』
悠「…っなんでっそんなの由希は言ってない」
『悠が思ってる程、由希は子供じゃないッ料理だって私が居なくてもできる。もう小学生の時から由希は自分で何もかもできたのよ。悠が止めるから、やるにやれなくて、泣いてしまった。子供だったから、由希は、私の負担にならないように寮のあるルドルフに入学したのよ。確かに推薦もあった。でも一番はあの事件で、アンタと由希が怪我をした日で私が両親に責められたのを由希は部屋の外から聞いて居たから…ルドルフに入学したのよ』
由希「悠…本当だよ…彩夜が言ってるのは本当。彩夜がいつも辛そうにしてるの…ずっと影で見てきた。悠は悠で気付かないまま時を過ごしてた。ああ…悠はもう気付かないだろうなって思ったよ」
由希「だから、俺だけでも…彩夜の負担から抜けようと思った。だから推薦の来たルドルフに入学したんだ。悠は知らないでしょ?俺等が成績が悪いのを気にしてないせいで、生徒会だった彩夜が先輩とか先生にいつも嫌味言われてたの…。俺は一度だけ見たよ。先生にどうにかならないかって彩夜が責められてるの。俺達が悪いのになんで、彩夜が責められなきゃならないのか分かった。姉弟だから…。でもさ、悠…姉弟だから全てが許される訳じゃないんだよ。悠が昔からのうのうとワガママを言って過ごして来たせいで、ずっとそれに縛られて自分の事以外の事でも怒られるの…そんなの耐えられる?」
悠「由希…」
由希「俺ね。もうワガママな子供じゃないよ。自我だってある。悠が思う様な幼稚じゃない…。必死で勉強だって一人でやってるよ」
悠「なんで…なんで…皆がバラバラになって…行くの…。なんで…私…悠から皆離れて行くのッ悠を置いてかないで…悠は…」