ワレモコウ

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『ありがとう』



「彩夜の笑み〜わーい」



『ごめん。未来、行ってくるね』


未来「一人で平気?」


『比呂士連れてく』




未来「行ってらっしゃい」



教室の前に立てば、両親と由希、先生達の声が聞こえて来る。
ノックをし、「失礼します」と礼をして入室する。


怒りを抑えながらも、先生方に謝罪をする。
謝罪をすると先生達は教室から出て行ってくれた。




『由希、何があったか説明できる?』




由希「う…うん」




由希に説明される間、悠は泣き続けた。
彩夜は、黙ってその話を聞いた。


『お父さん、お母さん…止めないでね』


自分の地声より低い声で、両親に願う。
由希も初めで固まっていた。



『何で…どうして…私の進む道進む道を邪魔するの?』




彩夜の怒鳴り声と、悠の泣き声だけが静かな教室に響く。


『ねぇ。知ってる?この海原祭の為に…皆、一生懸命夜遅くまで用意してんだよッ』




『悠が通ってる氷帝みたいに跡部や先生、親が用意してくれるお嬢様学校じゃないッ。立海はね、生徒の一人一人が協力して、ぶつかって1つの物を作ってるのッ。何時間も何日もかけて、家が遠い子だっているのに…。朝練だってしてる子だっている。それでも、地域の人に喜んで欲しいから…1からやってるんだから…。悠のせいでめちゃくちゃッ。アンタが暴れたせいで何人怪我したと思ってるの?何人の人に迷惑がかかったと思ってるの?…私が何かをしなきゃできないの?私が何かを悠に聞かなきゃ何も伝えられないの?誰かに頼らなきゃ何もできないの?…立海の生徒はね…悠に邪魔されて、怪我する為に海原祭をやってる訳じゃないんだよッ全部全部、誰かが笑顔で「楽しかった」って思ってくれる為にやってるの。お父さんとお母さんさんだとてそう…何のために海原祭に来たと思ってるの?悠が問題起こして、それを謝る為だけに来たの?違うでしょ?仕事のリフレッシュとか楽しむ為に来たんでしょッ。なんで言われなきゃ分からない?なんで、言っても分かってくれないの?』



 
 
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