ワレモコウ

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『1、オムライス5つ、ハヤシライス4つ、チャーハン2つ、ハンバーグ6つ、フライ膳4つ』


「了解でーす」



ジュースはオーダーを取ってきた人がやる。




『オレンジジュース、ファンタグレープ、紅茶、コーヒー、りんごジュース、カルピス、コーラ、緑茶の方』



ジュースと料理を並べ、その後にデザートのケーキを置く。
それを済ませると籠に入った黒い袋、オマケのクッキーを持ち、皆の前に立った。



『私達でも、どの袋か分かりません。さあ。時の運です。一人ずつお選び下さい』



籠の中からクッキーの袋が無くなると、籠を取り次のオーダーへと行く。



未来「彩夜〜。時間」


『了解』



このクラス、時間になるとピアノとヴァイオリンの演奏が始まるのだ。
しかも一講演、一時間だけというレア。三時間毎に一回なのだ。



今回の時間は、彩夜と未来のヴァイオリンのハーモニー。




うっとりしながら聞く人もいる。
中には子守歌になってしまう人も居て、その場で寝てしまう人も居るのだ。

一時間が経つとヴァイオリンをケースにしまい、皆が手の届かない場所に置いて置く。



そして、仕事に戻るのだ。



『柳生』



柳生「一回目」




由希「すみませーん」



『はい。只今〜』



逃げるようにオーダーへと行く。
じっと悠に見られているのもお構いなしで、由希の元に行く。



由希「りんごパイ、ショートケーキ、ガトーショコラ追加で」



はじめ「私は紅茶のおかわりを」



『はい。畏まりました』



追加メニューを運ぶと、由希の食べっぷりに皆引く。


『由希、引かれてるよ…』


由希「食べたい時に食べるんだ」


はじめ「こんな美味しい紅茶は久しぶりです」


『ああ。それは未来が淹れた紅茶ですから』



景吾「ふん。アイツ、腕を上げたな」



『未来も練習してたからね。そりゃ上手くなるよ』



お客が少し減り、お客と話す機会も増えた。
柳生も真田も他校生に捕まっている。



裕太「それよりいいんですか?」


『何がですか?』



『比呂士の事ですか?』


はじめ「確か付き合っていらっしゃるのでは?」



『ふふ。良いわけ無いじゃないですか…。今日はいっぱい愛してもらわないと気が済まない…寧ろ、襲ってやる』



裕太「由希、お前の姉貴変わってる」



由希「彩夜だけだよ。あんなオープンなの…ほら、あそこに幸村の隣に居るのも俺の姉貴だけど大人しいし自分じゃ何もできないから…周囲が何かしてくれんのを待ってるタイプなんだ」


侑士「確かにそうやわ。ずっと見つめたりして、助けてもらうんやわ」




景吾「それを慈郎や日吉は追っ払ってたけどな」




『そう考えると私、一人でも生きていけるんじゃね?』



柳生「おや、私が居なくてもですか?」


後ろから腰に手を回され、耳に柳生の息がかかる。離れない様に腰をもたれてしまう。



『うっわ。あの女の子達はいいのか?』


柳生「アナタのヤキモチ妬いた声が聞こえましたからとんで来ましたよ」


サラリと言う柳生に耳まで赤くなりそうになる。




『柳生、仕事』



柳生「2回目」



『ほら、女性客に睨まれるから早く行く』


柳生「休憩ですよ」


『了解』


 
 
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