ワレモコウ

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母「悠、幸村君よ。お母さん、ちょっと出かけるから幸村君、悠をお願いね」


幸村「はい」



部屋に幸村が入る。


それを確認した母は本当に出かける。













母「彩夜〜。未来〜。入るわよ」



未来「はい」



カチャリと開くドア。
中に入ると、彩夜はソファで眠りその下には愛犬が眠っている。




母「彩夜…」


未来「さっき寝たばかりです」


母「ずっと眠れてない?」


未来「はい」


母「そう…悠がね。退院したの。でもね…彩夜みたいにこんな風になってない。ただ、ピアノとヴァイオリンを気にしてるだけ…こんなにも彩夜は苦しんでるのにね…一卵性の双子でここまで違うってなんでかしらね」


未来「…」



母「ご飯、作るわね」




未来「あれ?作れるんですか?」


母「ふふ。悠がアレだから作れないと思った?本来は作れるのよ」



母親がキッチンに立ち、料理を作った。
父親程でなくても、ちゃんとバランスの考えられた料理だった。



母「彩夜がピアノ始めたの…私の影響なのにね…彩夜に酷い事言ってしまったの」





『ん…』



アウラ「くぅん」



『あ…ご飯…忘れてた』


ドックフードを皿に入れてあげると愛犬が食べる。
母親の作った料理を見て、彩夜の顔に久しぶりの笑顔。



『美味しい』


母「良かった。久しぶりだから」


未来「知ってたの?」


『うん。昔はお母さんが料理してたんだ。それをお父さんが冗談で、私が作ったーッなんて言ってさ。未来達に出したんよ』



母「痩せたわね…そうそう。彩夜、彩夜にプレゼントがあるの」



『ん?』



大きな箱にリボン。
その箱を開けると、ヴァイオリンが入っていた。


『な…んで…』



母「お父さんの方のお祖父ちゃんから」



 
 
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