ワレモコウ

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幸村「何を?どういうこと?」



仁王「お前さん達のせいで、ずっと苦しくて辛い思いしとったんよ。彩夜も未来も」



『…』


仁王「悠が幸村ん事好きじゃったのを知っとった。俺等が、お前さんと悠をくっつけたんじゃ。もう振り回されんのも嫌じゃき」



幸村「待ってよ。大体、振り回すって…どういうこと?」



『氷帝学園…』



未来「彩夜ッ」


『私も未来も…本来なら氷帝学園の人間、でも…もうさ。姉弟の事考えたくなくて…知らない場所に行きたかった…少しでも姉弟から離れられるならなんだって良い。それが忙しくても…なんでも…分かんないよね?平凡に家族とごく幸せに過ごして来た幸村にはさ…。悠が苦しい?辛い?…ずっと何にも考えないで脳天気に学校も過ごして来たのに?』



柳生「彩夜」



『いつもいつもそう。泣けば良いって…。後から皆に言われるこっちの見にもなれよ。悠に近づくために私を使って来る奴も居た。悠と由希の成績が悪いのも私のせい。物事が遅いのも私のせい。全部全部私のせい。今と同じような生活送ってた私によ?…もううんざり…。幸村とくっつけて…今度は何?ホローする?今日は幸村とこんな事しただの…』



幸村「…」


何か言いたそうにしているが言えない。



『ホント、空気読めない。何かに夢中になれば…少しでも家から離れれば…姉弟の事、忘れられると思った…全部、アンタ達のせいッやるなら自分でやってよ。やるなら私を巻き込まないでよッ…私…ずっと未来とこなして来た。比呂士に出会う前は…。二人で支え合って…。でも…もう耐えられない』



仁王「柳生」


柳生「はい…彩夜さん。もう良いですよ」



柳生が後ろから抱きしめて来る。
未来は横で泣き崩れている。



未来「仁王…」


仁王「今は泣きんしゃい…」


幸村「…そんなの」



仁王「それじゃそれ…。これ聞いても…お前さんはなーんも分からんじゃろ?」






 
 
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