ワレモコウ
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立海大学付属中学校。
今日から私が通う学校だ。
双子の姉、悠の反対を押し切り、私は氷帝学園幼等部からこの立海大学付属中学校に通う。
胸の高鳴りなんてない。ただ楽になりたかった。それだけ…。
未来「なーに暗い顔してんのさ」
『……何でいんのーーッ』
教室に入り窓側の席に座った。そして、そこから見える青空を見上げていた。すると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえて振り返ると幼なじみの未来。
思わず叫んだ私。あーあ。もう終わりですね。
未来「彩夜が心配で立海に入学したのよ」
『…嘘でしょ?』
未来「分かった?…私もアンタとおんなじ理由。嫌になったの」
『そ。ならいいや』
未来の家族は、父がモデル事務所を経営していて、その事務所に母と姉は所属している。
そして、その姉は氷帝学園に通う。
私の家族もそんな感じ。ファッションデザイナーの母、元テニスプレーヤーで現在はレストランでシェフをしている父。
私に瓜二つで天然ドジで馬鹿な双子の姉。
泣き虫で、甘えん坊、それに後ろを付いてくる弟。
姉弟二人共、氷帝学園に通う。
そんな環境で育った私と未来は似た者同士。
お互いの考える事が手に取るように分かる位、仲が良くて一緒にいる。
『部活決めた?』
未来「んー。できるだけ遅く帰れる部活が良い」
『ならさ、氷帝でもやってた部活にしね?』
未来「新体操部?」
『おう』
未来「良いよ」
先生が教室に来て自己紹介から始まった。
教材を配られて部活見学ですよー。なんて言われてさ。
部活見学に行ったのを覚えてる。そこで推薦もらったんだよね。未来も私もそのまま新体操部に入部希望した。