ワレモコウ
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『ただいまー』
悠「彩夜〜ッ」
帰って来るとすぐに抱きついて来る悠と弟の由希。
それを剥がしたい気持ちで胸がいっぱいになるのを抑える。
『お母さん達は?』
由希「今日、遅いって」
悠「彩夜、由希がね。お腹空いた〜って泣くの」
ほら。来た…。
この二人から解放されたい。
その思いが強くなる
『分かった。だから、お風呂先に入って』
悠「うん。由希、行こ」
由希「うん」
逃げたい。逃げたい逃げたい
キッチンで料理を作る私。それを皿に盛り、テーブルに運んだ。
母「彩夜?」
『お母さん、来たんだ。ご飯は?』
母「どうしたの?」
『なんもないよ』
逃げたい…。
『明日、テストなんだ。ちょっと鬱でさ。私、二階のシャワー浴びて、部屋にこもるね』
逃げたい。
逃げたい。