ワレモコウ

□13
2ページ/8ページ





『ただいまー』



悠「彩夜〜ッ」



帰って来るとすぐに抱きついて来る悠と弟の由希。
それを剥がしたい気持ちで胸がいっぱいになるのを抑える。



『お母さん達は?』


由希「今日、遅いって」


悠「彩夜、由希がね。お腹空いた〜って泣くの」



ほら。来た…。
この二人から解放されたい。


その思いが強くなる




『分かった。だから、お風呂先に入って』



悠「うん。由希、行こ」


由希「うん」




逃げたい。逃げたい逃げたい






キッチンで料理を作る私。それを皿に盛り、テーブルに運んだ。



母「彩夜?」



『お母さん、来たんだ。ご飯は?』


母「どうしたの?」



『なんもないよ』




逃げたい…。



『明日、テストなんだ。ちょっと鬱でさ。私、二階のシャワー浴びて、部屋にこもるね』



逃げたい。

逃げたい。


 
 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ