ワレモコウ

□2
1ページ/3ページ





『おっはよ〜。真田ッ何、ムスッとしてキモ〜い。うざーい』



柳生「おはようございます。真田君、彩夜さん。未来さん」



真田「城月ッ貴様〜ッ」




廊下を勢いよく走り去る彩夜を追いかける真田。
だが、途中で見失う。




仁王「今日は何したん?」


『真田の机の中にダンゴムシを入れただけ』


仁王「ぷっ」



朝なのに走り回り、屋上でサボって居た仁王に出会う。
仁王の隣に腰かければ、お互い笑みを零した。



仁王「柳生と付き合ったんじゃろ?ええのか?」


『付き合った所で、私と柳生の関係は変わらないぜ。それに私の性格知ってるし』


仁王「ほぉ。奴は意外と嫉妬深いぜよ」


『ちゃんと愛してあげるから大丈夫だ。…それより大変なのは弟の方』


仁王「ああ…。泣き崩れたんか?」


『おうよ』


仁王「それより…うちの部長が行ったじゃろ?」


『来た来た。意味分かんないこと言ってどっかに行ったんだよなあ〜。うざかった』




仁王「ほぉ。お前さん、いつもながらストレートじゃな」


『えぇ〜。だってテニス部マネージャーなんてできるわけないじゃん』


仁王「そりゃそうじゃな」



『一週間、まるまる時間ないし、柳生と過ごすのもギリギリなのさ』



仁王「ラブラブじゃき」






柳生「彩夜さん」



仁王「王子様のお出ましじゃな」


柳生「仁王君もいらっしゃいましたか…二人で何かやらかしました?」


『お。正解ッ私は真田にやった。仁王はジャッカルにやった』



柳生「苦労がたえませんね」



立ち上がり、柳生と仁王と向かうのは生徒会室。
昼食はいつも4人で生徒会室でする。

生徒会室が一番、楽だからだ。仕事もできる。内側から鍵も閉められる。オマケに防音付き。




『マジ嫌』


柳生「落ち着きなさい」


『何、あの幸村って奴、うざいから近付かないで欲しい』


仁王「すっごい言われ様じゃな」



昼食を食べて、作って来たアップルパイを皆で食べる。



生徒会室にはコーヒーメーカーがあり、豆からひく事ができる。
今日は紅茶の日。4人分の紅茶を用意するとアップルパイと共に頂く。




『いやいや。かなりうざいと思うよ』


柳生「どうせすぐに諦めますよ」


『そーだと良いけど。仁王、今日は海に行く?』



仁王「んー。気まぐれで行くかもしれん」


『ほんじゃあ、今日は4人で帰ろ』


未来「OK」


柳生「分かりました」



昼休みを終えて、教室に戻る間に柳に会った。柳の隣には幸村が居て、こちらを見ると近寄って来た。



柳「城月、またお前は弦一郎に悪戯をしたのか?」


『あー。したした。キモかった』


柳「それはお前の仕業であろう」



幸村「彼女がテニス部マネージャーだよ。柳」



柳「精市、彼女には無理だ。諦めるんだ」


幸村「なんで?大丈夫だよ。新体操部には言ったし」


未来「どー考えても無理でしょ。彩夜はうちの部のエースだし、生徒会+習い事で時間ないわよ。彩夜を殺したいなら別だけど」


仁王と柳生がピクリと反応した。だが、抑えていたのは見るからに分かる。

 
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ