それが真実ならば2
□13
1ページ/2ページ
『な…』
「どうしたん?彩夜、何か見つけたん?
」
『おにいちゃん…』
泣きながら縋ってくる彩夜に、どうしたらいいかなんて考えもしなかった。
自分もあの研究に関わって来た。
それが罪で、一番 傷を付けたんだ。
だから、彩夜は俺を殺したい程、憎んでいるんだ…。
そう思っていたのに、弱弱しく俺の裾を握り締めた。
目を覚ました三人に、自分だけが辛くて苦しい思いに身を委ねていた。
「なん?」
抱きしめた…。
苦しくて…。
辛かった…。
小さな身体を抱きしめて、俺は彩夜の前で泣いた。
『お兄ちゃん?苦しいの?』
「ごめんな…ごめん…俺のせいや…俺が彩夜を…」
『私?お兄ちゃんを怨んでないよ?』
「ちゃう…ちゃうんや…彩夜…ちゃう…」
『お兄ちゃん…笑って…お兄ちゃん…』
ぎゅうってしがみついて来る彩夜。
疲れたのか、彩夜は胸の中で眠りに着いた。
彩夜はぎゅうっと裾を握ったまま眠りに着いてしまった為、凪は動けずに居た。