それが真実ならば2

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『な…』



「どうしたん?彩夜、何か見つけたん?




『おにいちゃん…』


泣きながら縋ってくる彩夜に、どうしたらいいかなんて考えもしなかった。
自分もあの研究に関わって来た。
それが罪で、一番 傷を付けたんだ。

だから、彩夜は俺を殺したい程、憎んでいるんだ…。


そう思っていたのに、弱弱しく俺の裾を握り締めた。

目を覚ました三人に、自分だけが辛くて苦しい思いに身を委ねていた。




「なん?」



抱きしめた…。

苦しくて…。



辛かった…。



小さな身体を抱きしめて、俺は彩夜の前で泣いた。



『お兄ちゃん?苦しいの?』



「ごめんな…ごめん…俺のせいや…俺が彩夜を…」



『私?お兄ちゃんを怨んでないよ?』



「ちゃう…ちゃうんや…彩夜…ちゃう…」




『お兄ちゃん…笑って…お兄ちゃん…』




ぎゅうってしがみついて来る彩夜。
疲れたのか、彩夜は胸の中で眠りに着いた。
彩夜はぎゅうっと裾を握ったまま眠りに着いてしまった為、凪は動けずに居た。





                            
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