それが真実ならば2

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「彩夜?」




『っ!』


目を開けた瞬間に見えたのは、心配そうに見つめた謙也の顔。
安心感が一気に湧き出てくる。


此処はあの場所じゃない。
ただ、それだけの事なのに…。






『謙…也…謙也…』



謙也「嫌な夢、見たんか?凄い汗やな…」




『わ…わ…た…し…私…』




謙也「もうええねん。もう苦しむ事も辛い事もないんや。彩夜は彩夜のままや。財前光と雅を守らんでええんやで?彩夜」


『謙也…謙也』




ソファで寝ていた筈が、昔の事を思い出し、目を覚ました。
それが辛くて、苦しい。全てを受け入れたつもりだった。
けれど、無理だった。


今此処に、謙也がいなければ自分がどうなっていたか…恐ろしくて考えたくない。



謙也「彩夜…安心し、俺は離れんから…俺は居る。彩夜が居る限り居るから…」



『謙也…』



謙也「おん…」


温かい腕…。体温…。




謙也「!?」





謙也の身体に手が触れて、正面から抱きつくと、謙也がビクリと身体を動かした。
背中に腕を回す
自分が生きていると言う実感が湧いてくる。




                                
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