星空の約束
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侑士「もう、苦しまんでええねん。もう良いんや」
腕に眠った彩夜を愛おしそうに見つめる。
彩夜がどうして、此処まで執着するのか分からない。
けれど、それは本当に恋人同士のようだ。
侑士「ほんなら、不二、もうええか?」
周助「良いよ。亜希も眠っちゃったしね」
侑士「謙也」
謙也「OK、やりますか」
最上を離し、皆が座る。最上は泣きながら、自分でタオルを拭いていた。
侑士「彩夜と亜希にはな、生き残った兄が居るんや」
幸村「え?さっき死んだって」
周助「植物人間状態でね…よく、彩夜と亜希を可愛がって居たそうなんだ…。その兄の命を最上家の当主に握られている」
最上「…」
周助「当主の要求はなんだと思う?」
幸村「会社?」
周助「違う」
最上「二人の命…今後の未来全て」
幸村「そんな…君は知っていたの?」
最上「わっ私だってね…」
侑士「ストップ。お嬢ちゃんはしゃべらんでええ、ややこしなるから、二人が目覚ましてから喋ってな」
最上「ムカつく!だから二人共嫌いなのよ。自分の事ばっかり」
周助「それは君もでしょ」
侑士「二人の未来は二人だけのもんや…。兄の捜索をしない限り、彩夜も亜希も休まれへん」
幸村「それって本当に生きてるの?」
謙也「どういう事や?」
幸村「だって、最低な奴らなんだろ?じゃあもう、死んでたりしないの?本当に?」
最上「生きてるわよ…。ちゃんと、ただもう植物人間じゃない。ちゃんと復活してる」
幸村「え?」
最上「私が頼むわ。それでチャラにしてよ。私だって命がたらない。もう嫌なの。やっと落ち着いた生活に…二人と関わると余計な体力まで使うし」
幸村「…君、反省してる?」
最上「これでも時期当主だからねー、面倒くさい事は嫌いなのよー」