桜恋
□桜恋 No.8
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馨しいココナツの香りと小鳥のさえずり
暖かな風が運ぶ穏やかな波の調べ
因みに、ここは日本で熱帯には属さないはずである
(…これは夢か?夢なら即刻覚めて…)
「ハールちゃんっココナツジュース飲む〜?」
(……あっつ…)
「穏やかな気分だ…ここにはサービスしなければならないお客様もいない…まさに美☆少年戦士の休息といったところか…」
「まぁ…それなりには楽しめるね。」
「鳳グループ経営だから当たり前だろ。」
流石鏡夜先輩のリゾート。
鏡夜先輩曰わく、鏡夜先輩の家は【癒し系】が共通らしい。果てしなく胡散臭い…ハルヒも今頃思ってるだろう
「ハルヒ、闇。ウォータースライダー行こーぜ」
「つーかお前等、水着は?うちの新作から好きなの選べって言ったじゃん。もしやカナヅチ?」
「や。自分は人並みには泳げると思うけど、こういう所あんまり興味無いし…泳ぐ気も無いのに着替えるのは面倒だと思う。」
「私は下に一応着てるよ。泳ぐの好きじゃないからさ…それに、水遊びならビニールプールで良いよね?ハルヒ。」
「うん。そうそう」
「ビニールプール?ナニソレ」
「えーと、このくらいの大きさで空気入れて膨らませて…」
「バカ、そりゃエアボートだろ。そんなセコいプールがあってたまるか!水入れんなよ、浮かべろよ。」
「プールだよ。小さい子がよく…」
「ボートだって」
「バカ!!ハルヒがプールと思い込んでるんだからプールでいいんだ!ハルヒに恥をかかせるなッ!!」
「……なんというか、もの凄く不愉快なんですが…」
「……ビニールプールの存在知らないんだね。」
「ハールちゃんっ!あっちに流れるプールがあるよー!」
「あれ、ハニー先輩泳げないんですか?浮き輪して…」
「んーん?だってこの方がカワイイでしょ?」
「むじゃきだねー」
「文末に主語を入れてみたらどうだ?」
この方がカワイイでしょ?
僕がっ(ハート)
計算!!?
「見て見てー、みんな!」
(お?モリ先輩が泳いでる、けど…)