頂きもの&捧げもの
□雪が君を隠す前に・・・・
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相互リンクしていただいております『So crazy』のRUI様へ捧げます☆
気に入っていただけると幸いですが・・・・うぅ、ドキドキハラハラです(^^;)
お持ち帰りはRUI様限定です♪
☆本編に入ります☆
ヒラヒラと・・・・止め処なく。
夜空から音もなく静寂を引きつれて舞い降りる雪。
まるで吸い込まれそうだとナルトは静かに闇と、そこから零れ落ちてくる純白を見上げていた。
雪が君を隠す前に・・・・
吐息が寒空に溶けて
そっと閉じた瞳からは、一筋の涙がこぼれた。
ひとりは寒い
ひとりは虚しい
ひとりは寂しい・・・・
里は常より明るく。
光がそこかしこに零れている。
それは今夜が特別な夜だから・・・・
暖かな家
温かな家族
あたたかな笑顔
そのどれもが自分には欠けていて
心が締め付けられるほど切望しながら、でも決して手に入らないものだと切なく思う。
ふわりと開いた瞼から涙で青みの増した瞳が現れて。
そしてまたヒラヒラと舞い落ちてくる止め処ない雪を静かに見上げる。
もしもこの空に、このまま本当に吸い込まれてしまったら・・・・この冷たく凍える孤独から、解放されるだろうか・・・・
たった独りで過ごす夜は長くて。
暗闇が恐怖を連れてくる
孤独に蝕まれて、吐き出せない悲しみを呼んで。
そうと分かっているのに、それでも決してみんなの楽しげな輪の中に入らなかった・・・・入れなかったのは・・・・・
冷たくあしらわれることを恐れて。
当たり前のように突き放されることを恐れて。
お前はいらないと・・・・必要ないと・・・・拒絶されることを恐れたから・・・・
仲間が集まって開かれるホームパーティーに。
もちろん同期の誰もが声をかけられて。
でも自分は・・・・・
誘ってほしいと思いながら逃げ出し、自分には関係ないと目をそらした。
傷つく前に、拒まれる前に・・・・自分から拒絶した・・・・
でも本当に逃げ出したかったのは
目をそらしたかったのは
あいつからだったのかもしれない・・・・
みんなの輪の中で当たり前に笑うあいつ
そんなあいつを・・・シカマルを見たくなかったから・・・・
シカマルと出会って
暗く冷たい孤独の中、一筋の光がさした気がした。
自分は自分のままでいいと・・・・シカマルのおかげで思えるようになった。
どれほど里中から嫌われようと、蔑ろにされようと、シカマルが笑いかけてくれるから乗り越えられると・・・・
でもシカマルには自分以外にもたくさんの仲間がいて
わけ隔てなく受け止めて
別に自分だけが特別ではないのだと・・・・当たり前のことなのに・・・・分かっていたのに・・・・その事実に心が砕けた気がした。
何を期待していたのか
何を求めていたのか
今となってはそれでもどうでもいいことに思えるほど、心は凍え、孤独にとらわれて。
気づかないうちに、自分にとって何よりも特別で、誰よりも大切な存在になっていたシカマル。
だからこそ・・・シカマルにとって自分が取るに足らない、その他大勢なだとこれ以上思い知らされることが怖かった・・・・
孤独に寄り添って
それでもたったひとつ、シカマルに向かう切ない想いを守りたいとあがく自分が滑稽で。
自分の居場所を見失った聖なる夜。
温かく輝く里を、たった独り・・・火影岩(ここ)から見下ろして・・・・
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