フレンズ

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「雅人――」

三上に喘ぐような吐息で名を呼ばれ、ぞくりと背筋に痺れにも似た感覚が走る。

着ていたTシャツの裾から三上の手が入り込む。脇腹から胸へと移動していく手に雅人は堪えきれず甘い息を吐く。

「……今すっげ、あんたが欲しい」

雅人も三上が欲しかった。
これほど人を欲しいと思うなど初めてだった。

しばし無言で見つめ合う。

「三上――…、ここじゃイヤだ」

展望台へと上ってくるクラスメートの声が近づいてくる。

上ってくる道とは反対側から、分岐していた小道へと入り込んだ。
少し行くと昼間歩いた道に出た。
ベンチを見つけて、そこへ横たわらせられた。

誰も通る人などいない、山間の小道。

頭上から降る星明りのおぼろげな光源の中、三上が覆いかぶさってくる。
シャツが捲り上げられ、胸元に口づけが落とされる。

「はぁ……あぁ……」

三上が欲しいのだと、満たされたいのだと、もどかしさに焦れながら腰が揺れる。
堪えきれずもれる喘ぎが、さらに身体を熱くした。

「すまん、オレ止まらねえ――」

三上が上体を起こし雅人のジーンズに手をかけ、ボタンを外す。
ファスナーが下ろされれば張りつめている雅人の状態は隠しようもなく、羞恥に身悶えしながらもされるがままに下腹部を晒した。

三上も前を緩めた。
同様に大きく張り詰めたものが飛び出してくる。

「な、これからどうしたらいいんだ」
「知るか、よ。俺だって…、初めてなんだから」

胸のうちに残る未知のものへの不安。
惑いを感じながらも三上への思いで打ち消していく。

「初めて…って……」
「初めてなんだよ。好きなやつとこうするの……」

三上は一瞬戸惑った表情を浮かべたがすぐさま破顔した。

多分自分は熱に潤んだ目をしているだろう。
もっと触れていたいと三上を引き寄せる。

唇が降りてくる。
薄く開いた隙間から舌を潜り込ませた。
隔てるものがなくなった二人の下腹部は、直にその熱を交換し合っていた。

三上の手が下へと降りていく。
腹の間の塊を通り過ぎ、さらに奥へと進む。

「あぁ…み、か――…」

雅人の声は吐息と共に三上の口の中に消える。
舌を強く吸われて、唾液が飲み込めず口元を濡らし始める。

 
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