ビー(エ)ル!!*C' Vol.1
□真っ直ぐに、一緒に、生きて行く。
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「だって、息子の入学式なんて初めてだから、緊張するよ。」
「そうだよ。でも、楽しみ。ね、紀?」
「うん、楽しみだよ。真生は?」
と尋ねると、
――ギュッ。
真生はボクの右手を、強く握り締めた。
不安な気持ちが、伝わって来た。
「オレが行ってた小学校だから、そんなに心配しなくてもいいから。」
「はい、分かっています。もう何度も聞きました。お父さん・その1の方は、しつこいです。」
「その1って、もう、真生ってば、照れちゃってー。」
真生がボクたちのことを、“お父さん”と呼んでくれるようになったのは、ごく最近だ。