ビー(エ)ル!!*C Vol.2
□ボクの罠
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後藤田さんはあきれ顔だ。
「きいちゃんは元気ですか?」
「元気だから仕事してるんだけど。」
きいちゃんの名前を出すと、後藤田さんの口元がわずかにゆるむ。
本当に、きいちゃんが大切なんだなぁ。
ボクは毎日、あの手この手で後藤田さんに話しかけた。
「今度、きいちゃんに会いに行ってもいいですか?」
「うちに来たいってこと?だったら、断る。」
「じゃあ、遊びに来てください。」
「行かないし。」
後藤田さんは、あいかわらずかたくなな態度を崩さなかった。