ビー(エ)ル!!*C Vol.1
□僕たちは、愛し合うためだけに生まれて来た。
1ページ/18ページ
僕が部屋に帰ると、玄関に靴が一つ増えていた。
「おー、お帰りー。」
同居人で僕の弟の史彦(ふみひこ)が、おざなりの挨拶を寄越した。
「歴(れき)さん、おじゃましています。」
対称的にニコリと笑って挨拶してくれたのは史彦の親友で、史彦が組んでいるバンドのボーカル&ベースの高屋昂(たかや・のぼる)くんだ。
「キリがいいし、続きは明日にしようか?オレ、そろそろ帰るね。」
「そうだな。明日はコウんち押しかけようぜ?」
「一応下邑(しもむら)さんの家だって。」
苦笑しながら帰り支度を済ませると、昂くんはまた明日と手を振って帰って行った。