ビー(エ)ル!!*C Vol.1
□だから、抱き締める。
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数日後、仕事の打ち合わせで下邑(しもむら)さんと喫茶店で会った。
「俺が弾いてもいいんだけど、お前が弾いてくれるならそれに越したことはないからな。」
「はぁ、いいですよ。」
映画の挿入歌を任されたとかで、その映画に出演する女優が歌うらしい。
そのレコーディングのオファーを直接受けた。
「後で事務所は通すから。」
「はい。」
俺は少し冷めたコーヒーを胃に流し込んだ。
「それで、だ。お前、高屋(たかや)はどうした?」
「え……?」
下邑さんはいきなり話題を変えた。