ビー(エ)ル!!*C Vol.1
□心の中に残された音楽。
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「臆病になりすぎたんだな、俺たちは。……っつーわけで、俺帰るわ。」
寿はソファーから立ち上がり、オレに別れを告げる。
「一生会えなくなるわけじゃねーんだから、そんなに泣くな。」
「だっ、て……!!」
オレはボロボロと涙を流した。
「まだプロモーション残ってるから、明日も仕事で会うだろーが。」
心底おかしそうに君は笑って、オレの頭をポンポンと撫でてくれた。
「明星。俺、今すんげぇ幸せなんだ。」
「ちょ、ヒド……いっ!!」
「お前にも、出来ればそうなって欲しいよ。結婚式には呼べよな?」
「何年、先の……話、だよっ……!!」
「じゃあ、また明日。」
オレに背を向け、寿は歩き出した。
「……また、明日。」
オレもいつかまた、歩き出せるのかな?
今はまだ、分からないけれど。
いつかは、きっと……。
END.