ビー(エ)ル!!*C Vol.4
□pilgrimage 1
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「……そう言う、わけで……」
人と接する仕事は苦手だ。
だったら何故、こんな仕事を選んだのかと問われても、答えられるほどの理由を持ち合わせていない。
「残念だね。」
「は、はぁ。」
僕は今、入社して以来、ずっと担当して来たミュージシャン――八束叡人(やつか・えいと)の所属レコード会社を訪れ、担当の海老名竜司(えびな・りゅうじ)さんへ挨拶を済ませたところだ。
「……か、加納(かのう)くん?」
「は、はい。」
「あの、今日は、この後は?」
「え?」
「えっと、この後の予定は?」
「この後?」