ビー(エ)ル!!*C Vol.4
□紫の風と、紫の月。
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楽屋から、逃げ出してしまった。
でも、行く当てなんてない。
とにかく、会場の外へと向かった。
「……大輔(たいすけ)ぇ……」
苦しいよ、苦しい。
大輔、助けて……
大輔の名前を呼んでも、大輔が来てくれるはずがない。
オレは大輔の忠告を、何度も何度も踏みにじった。
だけど、それでも、受け入れられないものは受け入れられない。
今朝の出来事だって、オレには到底、受け入れがたい現象だ。
捨てるなら、最初から何もしなければいいのに。
子どもなんて、作らなければよかったのに。