ビー(エ)ル!!*C Vol.2

□僕の罪
1ページ/19ページ

天罰と言うものは、存在したらしい。

「ふぇっ、びえぇー。」

重い空気が漂う中、母親の胎内から出て来て間もない彼は泣き声を上げた。

僕は彼の隣にいながら、微動だにしなかった。

何も出来なかった。

黒い礼服に黒いネクタイを身に付け、僕はその場に座っているだけだった。

「勲(いさむ)!!」

「何?」

妻の葬儀が終わり一段落した頃、父親が業を煮やして僕を怒鳴った。

「お前は自分の息子の出生届も書けないのか!!」

「それは……」

「順(じゅん)ちゃんでいいじゃない。ねぇ、順ちゃん?」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ